入籍して一年未満の新婚さんの家に行くと、必ずと言って良いほどリビングに結婚写真が飾ってあります。結婚式を挙げた夫婦なら披露宴のとっておきの写真だったり、新婚旅行でのショットだったりします。式を挙げていない夫婦でも、記念に結婚写真を撮る人が多く、そういった記念写真を飾っています。独身のお客さんから見れば羨ましくもあり、微笑ましくもあり、ちょっとした嫉妬の気持ちもあるかもしれません。私は結婚が遅かったので、そんな写真をたくさん見てきました。結婚したら私も絶対にリビングに写真を飾ろうと思っていました。結婚は40歳の時でした。10年以上同棲した後の入籍でしたので、結婚したという感動や新鮮さは他の人よりは少なかったかもしれません。もちろん嬉しかったですが、わざわざリビングに写真を飾ろうという気持ちはなくなっていました。それは若いご夫婦がすれば良いことだと思います。私の夫は結婚した当時60歳で結婚は二度目でした。そんなこともあり、結婚式も披露宴も婚約指輪も結婚指輪も新婚旅行もなしでした。せめてスタジオで記念の結婚写真は撮ろうと言い合っていましたが、結婚して1年経った今でも実現していません。

しかし私にはそれに代わる思い出の結婚写真があります。それは、入籍した当日に行った旅館で女将さんに撮ってもらった写真です。入籍当日に行ったのは偶然で、新婚旅行というわけではありませんでした。私の夫は懸賞がとても好きなのですが、なんとその旅館の宿泊券を懸賞で当てたのです。一泊二食付きの宿泊券だったのですが、日にちは指定されていました。その日はたまたま私たちが兼ねてから婚姻届を出しに行こうと決めていた日であり、午前中に届を出し、その足で車で旅館に向かったというわけです。考えてみればこれが入籍後初めての旅行になりました。旅館そのものは特別高級というわけでもなく、料理もごくありふれたものでしたが、私にとっては記念すべき入籍日に夫が旅行を当ててくれたことが嬉しくて、思い出に残る旅行になりました。女将さんがとても気さくで親切な方で、タダで泊まりに来ている私たちにもちゃんと挨拶に来てくれました。

そしてテーブルに所狭しと並べられた料理の数々を前にして、ツーショット写真を撮ってもらいました。風呂上りでしたので私はスッピンに浴衣、夫も浴衣にボサボサの髪で、およそ結婚写真とは言えないような出来ですが、私にとっては思い出に残る結婚写真となったのでした。

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